プロロセラピー
プロロセラピー(増殖療法)とは?
プロロセラピーは、関節や靭帯、腱などの慢性の痛みや関節の不安定性に対して行われる治療で、再生医療の原点とも言われています。
高張ブドウ糖液を注射することにより、組織に意図的に炎症を引き起こし、自然治癒力を高め損傷部分の修復を促進することを目的とします。
痛みや炎症に対して行われる他の治療法の一つにステロイド注射があります。ステロイド注射は炎症を抑えることで痛みをすぐに和らげることができますが、副作用として組織を弱めるリスクがあるとされています。
一方でプロロセラピーは組織を修復・強化することが期待できるため、効果の蓄積が期待でき、長期的な改善や再発予防に効果的であると考えられています。
使用する薬剤がブドウ糖であるため、高齢の方、妊娠中や授乳中の方でも問題なく行うことができます。
また、治療中は運動制限を要しないため、シーズン中のアスリートの方にも良い適応と考えます。
このような方に適しています
- 慢性的な関節の痛みや不安定性のある方
- 自然治癒力を活かして根本的な治療を目指したい方
- シーズン中のアスリートの方
対象となる疾患
- 慢性的な腱炎、腱付着部炎(テニス肘、ゴルフ肘、アキレス腱炎、ジャンパー膝、足底筋膜炎など)
- 靭帯損傷による関節不安定(野球肘、膝関節靭帯損傷、足関節捻挫など)
- その他、肉ばなれ、シンスプリント、腱板損傷、仙腸関節障害、変形性関節症、偽関節などに対する治療報告があります
治療の流れ
1.診察・画像検査
まず、痛みや不安定性の原因を評価します。必要に応じてレントゲンやMRI、エコー検査を行います。
2.治療の実施
注射部位を消毒し、10%高張ブドウ糖液を数cc注射します。1回の注射にかかる時間は5分程度です。
3.治療後のフォローアップ
注射後、数日間軽い炎症が続くことがあります。炎症を抑える薬を使用すると効果が減弱する可能性があります。
通常は2週間ごとに3−5回注射を行います。
よくあるご質問
Q. 痛みはありますか?
A. 注射時に多少の痛みを感じることがありますが、局所麻酔を使用してできるだけ軽減します。
注射後は炎症が起こるため、数日間は痛みが生じます。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs : ロキソプロフェン、イブプロフェン、セレコキシブなど)の内服や患部のアイシングは炎症を抑制してしまう可能性があるため避けてください。痛みが強い際には炎症を抑える効果の少ないアセトアミノフェン(カロナール)の内服をお勧めします。
Q. どれくらいで効果が出ますか?
A. 炎症を抑える効果のあるステロイド注射などと違い、即効性はありません。個人差はありますが、3−5回の治療で効果を実感される方が多くいらっしゃいます。
Q. 当日の活動制限はありますか?
A. シャワーや入浴、家事など特に制限なく日常生活を送っていただけますが、激しい運動等は控えてください。
Q. 保険は適用されますか?
A. 現在、プロロセラピーは自由診療となります。費用については下記をご参照ください。
費用
1部位 5,000円/回
スポーツをされている学生の方は割引制度があります。詳しくはお問い合わせください。
※ 費用は税別表記です